ホーチミン市の車のクラクション音や強引な押し売りなどの喧騒から距離を置きたくなったら、1日を使い遠方に足を延ばすのも良いでしょう。ベトナムの公共交通機関は場所によっては回転率が遅く不規則ですので、日帰り旅行にはツアーガイドをつけることで、そこでの過ごし方のアドバイスをもらえたり、時間を節約でき効率よく予定のアレンジができます。都市郊外で人気の観光地には、一生記憶に残るような光景がいくつも存在します。クチの地下道は、かつてベトミン運動支持者の隠れ家でもあったのです。のちにベトコン中核グループの仲介地となった場所でもあります。タイニンには、独特な雰囲気を持つベトナム新興宗教「カオダイ教」の総本山が建っています。この2つは1日で見て回ることができますが、(ほとんどの人がそうしています)ただし、1日のほとんどを道端で過ごすことになりますので、身の回りの準備を万全にしてから出発しましょう。 

もう1つの楽しみ方は、都市の端にあるウォーターパークに行くことです。ホーチミン市の慌ただしさから一変し長閑な雰囲気が漂っており、気分転換には最適な場所となっています。ベンタウ周辺のビーチに降りる国道51号線から、メコン川が少し見ることができる南西部の都市ミトーに降ります。ビエンホアへ通り抜ける新しい高速道路まで北上し観光することは、ホーチミン市の混み具合や暑さを体験した後には良いリフレッシュとなります。

ホーチミン市からは水中翼船でアクセスができるため、ブンタウは日頃からストレスが溜まっている現地の人たちの週末の拠り所となっています。衛生上良くない箇所が見受けられますが、総じてみると、ブンタウは魅力的な場所です。”ボートの港”と称される通り、錨型をした岬から、サイゴン川の入り口まで、ホーチミン市は125kmに渡り南部に広がっています。かつては繁栄期の南フランス リビエラ地方を連想させるビーチリゾートとして発展した街でした。現在は海洋油の産業と近年徐々に発展しつつある漁業で、より商業中心の都市へと成長を遂げています。ホーチミン市の住民は現在も週末になると、ここに集まりのんびりと時間を過ごします。地域の人は町のビーチでの遊泳が好きですが、近年は清掃活動が行われているにも関わらず、景観は未だ改善の余地があるのが現状です。しかし、バイソウ沿いの遊歩道は滞在期間の長い駐在員には”ブラックビーチ”として知られており、夕方の散歩や海産物の軽食になる食材が豊富に採れる場所として有名です。

15世紀初頭には、ポルトガル船が市内の港の停泊地を不法に利用していたと考えられています。20世紀の変わり目には、この地域はキャップサンジャック”(ブンタウの旧名)として知られ、サイゴンに住んでいる人にとっては格好の気分転換の場所とされていました。政府は、フランス植民地時代の大邸宅をヌイロンやヌイニョという沿岸沿いの2つの丘に移行し始めました。ベトナム政治はフランス軍に完全に支配されていたのです。彼らが撤退し、共産主義政府が政権を握ったその矢先、1970年代後半にボート乗船客を乗せた水中翼船が失踪してしまったのです。